レンタルカフェ事業終了のお知らせです

2014年から丸9年続けてきたcafeころんの「レンタルcafe」という営業形態を2023年9月12日をもって終了することにしました。
終了後は、まだ確定しておりませんが、長期的に使っていただける新規飲食店起業の方に貸し出し、ちゃんちき堂のシフォンケーキ工房とcafe空間をシェアする形で運用していき、裏の自販機コーナー、おうめシネマ、カラコロ堂と共に、街のコミュニティ空間として且つ小商いが寄り添いあって生きていく空間として存続していく予定デス。
さてさて、丸9年というのはなかなかに長い期間だなぁ。。。と今、書きながら振り返っています。

何度か書いたこともありますが、シェア空間の寿命という言葉があり、多くは3年もてばいいそうです。シェアというのが対等の関係であっても、誰かがその空間を責任もって管理する、または「一緒に使っていく」ということの大変さを表す現象なんだろうナって今もまた、感じています。
さらに書き進めると、収益事業というモチベーションなしで、自己資金をつぎ込みながらシェア空間を維持していくっていうのは、我ながらしんどい一面は確かにありつづけたなぁとかおりさんと話しています。
それでも、ここを9年間維持し続けてこれたのは、そもそもがぼくらの力だけで作られた場所ではなかったからデス。
半年に渡るDIY期間にボランティアで参加してくれた多くの方の力でこの空間は物理的に作られていきました。
たくさんの備品の寄付をいただきました。

マッキーさんという方に出会うことがなければ、絶対に実現できない空間でした。
クラウドファンドと募金でいただいた資金は全体の工事費用の1/3を占め、本当に多くの方のお力を借りて作り上げることができました。
9年前、まだ青梅駅前には他所から来た方の起業事例はほとんどなく、その状況下でしかもレンタルカフェなんていう、全国的にもあまり事例のない挑戦をしたいというぼくらの希望を聞いて、「イイヨ」と場所を貸してくれた大家さんがいなければ絶対に実現されない場所でした。
そして、その空間を利用してくださった方々は延べ120組を越えます。
そこから1割の方が実際に起業し、巣立っていきました。
青梅の出身ではない方の起業がこの9年でずいぶん増えてきた事実は、旧まちつくり青梅とともにここで9年間やってきたぼくらの活動の意味の1つではないかと思っています。
一度大学生が卒論のテーマでこの場所を選んでくれ、調査してくれた結果によると、cafeころんの商圏は半径20㎞をはるかに越えており、関東全域からこの場所を目指して来店していただく方がいらっしゃるとのこと。
毎日、素人が日替わりでサービスを提供するこの場所を、多くの方が応援していただいている事実はとてもありがたいことだし、うれしいことでした。
cafeころんがあったからこそ、得ることができた縁がちゃんちき堂のぼくらにもたくさんありました。
そんなたくさんの「うれしいこと」「楽しいこと」「ありがたいこと」達がぼくらの背中を押してくれ、シェアスペースの寿命をはるかに超えて、ここを運用し続けることができました。
ただ、やっぱりホント大変日々ではありました。

ちゃんちき堂のお客さん?になるレンタルしてくれる方、そしてその先にいるお客さん。
ぼくらにとっては、とてもたくさんの不特定多数の方が出入りするこの空間が巻き起こすトラブルの種類は、始めた時の想像を軽く凌駕する数と質を兼ね備えていました。
その1つ1つに向き合い、解決し、この場所を維持していくことは、ぼくらの中にある何かをすりつぶし続けることでもありました。
その結果が失望と疲労感しか残らないことも多々ありました。

でもでも、続けてこれたのは今まで書かせていただいたたくさんの「デキゴト」と「デアイ」のおかげです。
しかし、また、状況は変化していきます。
1つにはコロナ禍を経て、レンタル希望者が激減したことがあげられます。
コロナという感染症に対しての対策、そして感染リスクを越えて飲食店を営業してみる。
このリスクは、気軽に一日単位でトライアルしてみるっていうころんのコンセプトと真っ向対立するものだったのだと感じています。
青梅駅前の再開発も遂に本格的に始まりました。

再開発自体に関してぼくらは権利もなにもないので、特にコメントもしませんが、街の方向性とcafeころん一帯を作り続けてきたぼくらとは道が違ってきたんだナと感じています。
そして、ちゃんちき堂の置かれた状況が一変したこと。
のほほんと小商いをしながら余裕のある時間を使って維持してきたのがcafeころんでしたが、3年前からそれが一変してしまい、ちゃんちき堂のシフォンを望んでくださる方々にぼくらが提供できる量や時間のぎりぎりまでを使い続けても応えきれない状況。
そして、結果、不安定になる行商というぼくにとって一番大切な時間。
その確保のために多くの時間を割かざる負えなくなりました。
なのに、なんだか次々と「コト」をはじめてしまうのはちゃんちき堂というより、ぼくの悪い癖なのか。。。年々限界を超えて体調を崩すことが増え、今年はここ半年ほど本当に調子の悪い日々を過ごしてきました。
これではいけない!
心身こそが、すべての源泉と思い知らされたからこそはじめたちゃんちき堂でしたから。
その事実からさかのぼって考えていった時、レンタルcafeという形でのcafeころんの継続は、ここでやめるべきことなんだと、今、確信しています。
しかし、同時に変わりゆく青梅駅前にあって、この場所の希少性は、街にとってより大切なものになっていくのではないかというのは、客観的に見ても事実なのだろうとも痛感しており、最初に書かせていただいた形の運用に変更していくことによって、この場所を維持していくこと、しかし、ちゃんちき堂の労力は軽減させていただくことにしました。
とはいっても、9月12日まで時間がございます。

そして、ここでcafeを続けてきてくださったレンタルの方々の営業は続きます。
どうか、それぞれの店主に会いに来てください。
そしてまた、営業形態の変更が完了して新たなお店がオープンした暁には、また彼ら彼女らを暖かく見守っていただけたら、そしてこの空間を一緒に楽しんでいただけたら、とてもとてもうれしいのデス。

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