イベント

Farm to table dinner

9月13日の金曜日。
それはcafeころんの5周年の前日っていう「なんてタイミングでやるんだ!」っていう時に、cafeころん、そしておうめシネマを使って「Farm to table dinner」というイベントが開催されました。


青梅の有機野菜をフルコースで味わいながら、土壌のこと、有機農業のことを学んじゃおうっていう企画。
そして、その先には有機青梅野菜のブランディングっていう目的がありました。

この企画をプロデュースしたのは青梅駅前の中華料理屋、偕楽さんの娘さんの「あいさん」。


自称ニートだけど、青梅ですでに澤乃井さん、そしてテキスタイルに関わるインバウンドツアーを企画運営している方。
そんならさ。。。って持ちかけた今回の有機青梅野菜のブランディング企画もあっさり引き受けてくれて、ただいま農業体験ツアーを企画しつつ、その皮切りに今回の企画を実現していただいたのデス。
参加した農園はヤナガワファームさんと繁昌農園さん。
そして、cafeころんで2年ほど「Coffee and Brunch」というcafeを運営しているゆうこさんという方が料理で全面協力してくださいました。

そのすべてが「お!」っていうタイミングでつながっていったんだけど、その中心になって企画のグランドデザインからみんなのけつたたき、そしてメニュー開発から1つ1つの料理の調理、そして盛り付けまでをもんのすごいエネルギーで作り上げていったあいさんのパワーとセンスったらなかったわぁ。。。
そして、当日は写真をみていただくとわかると思うんだけど、「ここはホントに青梅?」っていうおしゃれ空間の中に33人の出席者が集まって、青梅の有機野菜の様々な可能性を舌で楽しんでいきました。

同時に、そこでは2人の農場主と土壌研究の専門家である加藤先生から土壌についての話があり。
それもまた料理と相まって、絶妙なメッセージとなったとぼくは感じています。

トップバッターとなった繁昌さんの語ったキーワードは
「青梅という土地はこの国で最大の食の消費地である都内にものすごく近い有機農法が可能な土地」
であること。そして、都内ではいつも「おいしいもの」にうえている巨大なマーケットが存在していることを実例を交えつつ、語っていただきました。
運送コスト、時間において青梅で生産される有機野菜は他の地域から運ばれるものに対して、圧倒的に有利な立場にあること。。。そりゃそうだ。青梅も東京だもの。
それは収穫時点から鮮度と味が落ち始めるトウモロコシのような野菜で、より顕著になること。
朝、収穫した野菜が下手すると2時間後にはマーケットに並ぶ。
そんなことが可能な場所はこの国のどこにもないんじゃないだろうか。。。
さらに、打ち合わせの時に聞きましたが、都内でも東京野菜は作られていますが、大規模な有機農法はなかなか難しいとのことで。住宅街が近すぎる都内の農園の場合は「虫」や「匂い」の問題などでどうしても農薬や化学肥料を使わないと近隣の住宅との共生が難しい環境があるそうで、そんな視点からも青梅という土地のアドバンテージが語られました。

そして、加藤先生からは土壌というものの定義からはじまる系統だった知識の上澄みだけですが、語っていただきました。


なるほど、そう理解すればいいのか。。。ばらばらだった自分の中の知識を系統という根と幹に従って整理することができました。
豊かな土壌というのは「植物がよく育つ土地」ということであり、その根本には「生物多様性が最大」に保たれることが必要であるということ。自然界ではそれが成立しているけれど、そこから「野菜」という生産物を人間が取り出す過程で、取り出したものを戻し土壌の生物多様性を守るという点において「有機農業」というものは人間のできる自然にかかわる行為だと語られました。
例えば人間にとっての「害虫」もまた、自然界にとっては「生物多様性」の一翼を保っており、農薬によって殺しつくすことによってバランスを崩すことは土壌を壊すことになる。「害」を与える単位まで増やさないことが大切であり、それは生物多様性をコントロールすることなんだとおっしゃっていました。

そして、この地球上の平均の土壌の深さはたった1m。。。
青梅はその十倍の10mに達する豊かな土地だそうです。
火山灰が降り積もり、そこに植物が盛衰を繰り返すことによって、ふかふかの黒ぼく土が作られたこのような土地は、自然豊かなこの国の中でも珍しく。貴重な土壌であることが実際の土壌分布図とともに語られました。

最後に、柳川さんからは「有機農法」というものの定義から始まり、循環型社会の基盤となる農業のあり方が、加藤先生の話を具体的な手段として形作る方法が話され、東京都における農地のかなりの割合を占める青梅の土地の可能性が語られました。
また、生ごみたい肥という循環社会の作り方を経済的な側面から見た場合、大量の水を含む生ごみを無理やり焼却することによって生じる燃料エネルギーの消費と、その購買・輸送費用というマイナス要素を生ごみをたい肥化することによって、プラスの産業にしていくことができるという可能性が示唆されました。

この3人の話をまとめると、ぼくには青梅の農業の可能性がステキな形で見えてきたと思っています。
①青梅には他の土地にはない農業に向いた豊かで広大な農地が今現在、存在している
②有機農法はその土壌を維持しながら、さらに生産力を上げる可能性がある。
③その上、生ごみたい肥などの地域活動の副産物を利用する農法を取りいれることで、「捨てるコスト」を「生産する利益」にマイナスをプラスに変えることができる
④そうやって生産されたオンリーワンの「有機野菜」をこの国最大の消費地である都内には求めているマーケットが、少なくても今の青梅の農業規模からすると無尽蔵にある。

「土地の豊かさ」「有機野菜という商業面で見た時にもブランドになりうる可能性」「輸送コストと時間」
3つの競争優位性を青梅という街は、他の農業地帯に対して持っているということが証明された時間だったと思います。

青梅の街に雇用を生み出したい。
青梅に住み、この街をどうにかしたいと考えている多くの人の願いだと思います。
その一手は農地にも再開発という形で及んでいます。
とてもとても大事なことデス。

有機青梅野菜のブランディングというこのプロジェクトは、この雇用開発に対する1つの回答となりえないでしょうか。
それだけじゃありません。
そこからは観光という別なプロセスで抜き出せる産業もまた存在しようとしています。あいさんの手によって。
有機青梅野菜を使った、様々な加工品という可能性もあります。
ちゃんちき堂も小さいながら、その可能性を追求してきました。

この土地の再開発は、有機青梅野菜のブランディングのプロセスの中に組み込んではどうだろうか?
この会に出席して、その想いが強くなりました。
「ぼくらのひみつ基地」はその発信源の1つとして使っていきたいと、今、とても思っています。
ぼくはシフォンケーキ屋で行商なんですけどネ。。。

この会を作ってくれたみなさんと、まとめあげたあいさんに感謝デス。
ただ、5周年の前日にあの片づけはないわぁ。。。くったくただったわぁ。。。

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