春になったばかりのころ、ちゃんちき堂の定休日に、草津温泉に旅行に行きました。
ちゃんちき堂をはじめてから、帰省以外でははじめての旅行。
少し大きめの車を借りて、長い距離でも快適にドライブしていました。
群馬県に入り、道の駅で停車し休憩しているとき、”ちゃんちき堂携帯”に着信。
女性の声で、リアカーは今日河辺駅にいる?というもの。
今日は定休日でリアカーは出てないんです。と伝えると、
じゃぁ塩船観音の方は開いてる?
今日は、青梅駅前のカフェころんの販売所しかシフォンがないんですよ、とお伝えすると
車をお持ちでないようで、そこまでは行けないということがわかりました。
電話から聞こえる声が、少し焦っているような、抑え気味の。
事情をお伺いしたら、数日前から食欲がなく、ほとんどないもたべていない状態だそうで、
ちゃんちき堂のシフォンケーキだったらたべられるかもしれないと思い、ご連絡くださったとのことでした。
群馬県でなければ、どうにかできたかもしれません。今、遠くにいる旨をお伝えして、その日はでんわを終えました。
草津温泉を楽しみつつ、頭のはしに少しこのことが残っていました。
草津から戻って2日後、塩船のひみつ工場におひとりの女性が来店されました。
「食欲がなくてねぇ」とおっしゃったので、
お電話頂いた方であることがわかりました。
足腰ともに元気なのだけど、食が細くてパワーが足りず、楽しみにしていたお稽古事も、お休みしてしまったとのこと。
わたしたちの年齢だと、まだ「たべられない」ということを経験することはとても少なくて。
足腰とともに、内臓も元気でないとねぇなんて、30分ほどおしゃべり。
帰りも、長い坂道を上り30分かけてご自宅に帰られるそう。
シフォンたべられたかな。