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【ちゃんちき堂のチョコレートシフォンが生まれ変わりました】

この方々にはじめて出会ったのは青梅駅前の交差点。
去年の秋頃だったと思うんだ。
多摩高校の文化祭によんでいただいた帰り道、どしゃ降りの雨もようやくやんできた中をチキチキ5と共に信号待ちをしていたら横断歩道の向こうからもんのすごいテンションで手を振ってくれる一団がいた。
(知らない顔な気がするけれど。。。でも、あんなハイテンションってことはたぶんお客さんなんだろうな。。。)
人の顔をなかなか覚えないぼくだからとりあえず手を振り返してみたりしてた。おずおずと。

しばらくして信号が青になって駆け寄ってきたみなさん。
「はじめまして!」
えぇ、はじめましたなん?ど、どうしたの?どういうこと?なんで、そんなにテンション高いの?

「私たち、練馬で作業所兼リサイクルショップやってて!」
「でも、そこを引き払って青梅に来たんです!」
「ちゃんちき堂さんのホームページ見て!」
さっぱりなんのことかわからない。。。
なんだか子どもの頃に流行った3人とかで「誰が、いつどこで、なにをした」的な文章書いて、わけのわからなさで遊んいだそんな面白いカオス。
でも、なぜかリアカー引いていると、そういうわけのわかんない人達によく出会うからぼくだって慣れたもん。
なんか要するにちゃんちき堂のこと好きになってくれてる人なんだな。
青梅に引っ越してきてなんかやるんだな。
それだけわかればまぁ、いいじゃない?はじめての出会いだし。楽しそうだし。
なんか、その内、縁があるならイロイロつながっていくんだろうし。
なんて、思っていました。

そしたら、まぁ、どこでもよく会うこと。
おうめマルシェをはじめとした、ちゃんちき堂が出店しているあちこちのイベントで。
空堂2のオープンで。
そして、cafeころんで。
いつもとっても楽しそう。
そして、風のように現れ、去っていく。
あっちこっち。そう、青梅のあっちこっちに行くのが、そして出会うのが楽しくてたまらないって感じだった。
不思議な人達だ。。。

そう思っていたけれど、こんだけあちこちで出会うもんだから、だんだんとイロンナつながりが生まれていきました。といっても、ぼくは土日はリアカーやらイベントであっちこっちばったばたしていて、この方々は土日は青梅で平日は練馬にいらっしゃるのでゆっくり話すことはなかなかできなかったんだけどネ。

facebookで「青梅夢」と検索すると出てくるのがこの方々なのデス。
なので、ここからは青梅夢さんってよぶことにして。

元々もうケッコウ前に練馬でリサイクルショップ兼作業所を始めたこの方々。
ご近所さんとあのパワーで?柵を作らない活動でどんどん親しくなるとどんどん物が集まってきて、その販売。そして、そういったリサイクルショップ兼作業所を全国にどんどん作って行ったそうです。
facebookをみてもらうとわかるんだけど、よく上がる記事は「今日の朝ご飯、昼ごはん、夜ごはん」。
いつもえらいボリュームのお皿が並んでて、まぁ、よく食べる人達だなぁって思ってたけどちょっと違った。
この方々、みんなで食材を持ち寄り、そして調理して、みんなで食べているの。
そう、毎日。
あ、みんなって仲間って意味じゃないよ。そこに来たみんな。
遠い国から来た人も、ご近所さんも、子ども達も、なにか問題を抱えた人達も。
そう、今全国で流行っている子ども食堂。
その原型のような姿を続けてきた人達だったのデス。
そこには「みんなで食べたら楽しいでしょう?」っていうのが中心にあるような気がして。
「いいことをしよう」とか「崇高な理念」だけが上滑りしている感じが全然しない。毎日の日常をオープンに楽しく過ごそうっていう、ただただ楽しげな、そして地に足のついた毎日が連なって出来あがっていく自然なコミュニティがあるように感じるのデス。
週末は青梅で同じように過ごされていて、まだいらっしゃって1年も経たないのにそこはいつの間にかご近所さん達が集う場になってきているのデス。

また、ある時は
「相談があるんデス!」
と言われてころんに戻ってみたら、壮大な映画館作っちゃおう計画。
でも、やっぱりやりたいことの中心は
「私たち映画大好きで!毎晩お酒飲みながらみんなで映画観てるんですけど、おうめシネマでも観ていいかしら?」
要約すると。。。そういうことでした。
それからほぼ毎週末の日曜日、「オリオン座」という名前で映画観賞会が始まりました。
当然、最初は青梅夢さんだけ。
でも、今では映画を楽しみにしている常連さんが生まれてきて、少しずつそのコミュニティは「ご飯の会」と同じように広がり始めている。

そんな青梅夢さんが
「今度、チョコレート工房やるんです!」
って。
うん、まぁ、どうぞ。。。でも、どうしたんすか?急に。。。いや、いつも急か。。。って思ったら語ってくれました。
「リサイクルショップはとてもよかったんです。仲良くなったご近所さんがいらない物を持ってきてくれるし、その販売で障害を持った人達にも仕事が作れるってことをずっとやり続けてきて。」
「練馬のリサイクルショップをやめた後も、みんなが寂しがって、そしてイロンナものをまだ持ってきてくれるし」
「でもね!ショコラティエに作業所のみんながなったら!それ、自慢できるでしょう?なんかみんながもっと自信を持って、楽しく毎日が送れると思うんです!かっこいいし!」
「ちゃんちき堂さんみてそう思ったんです!」
ぼくショコラティエじゃねぇし。。。なんかそういう資格なんも持ってないし。。。
でも、言ってることはそれはそれは面白そうだったから
「面白そうですね!」
って。

それから毎週末の「オリオン座」にはあっちこっちのカカオ豆で作った試作チョコ達が並び、ご近所さんや通りすがりの人を巻き込んで道端で試食会を始める青梅夢さん。
なんでも、どこやらかの三つ星ショコラティエさんのとこに、あの勢いと情熱で
「教えて下さい!」
って飛び込んだんだそうだ。
すげぇな。。。
そしたら、その三ツ星ショコラティエさん。
「イイヨ!」
だって。それで通って教えてもらってるらしい。あ、でも、
「今はバレンタインシーズンだから今はダメ」
ってその時期だけは言われたらしいけどネ。すごくない?バレンタインシーズンに三ツ星ショコラティエのところに飛び込みで教えてもらいに行く度胸って。

カカオはもちろん、フェアトレードのものにこだわって、カカオ豆を剝くところからやってるんだヨ。そして素材もシンプルに。
そうやって作られる青梅夢さんの試作チョコ達は、ホントにイロンナ国々の風土で生まれた個性的なカカオの味がそのまま活かされていてえらいうまかった。

1918

ちなみにチョコレート工房は練馬の元作業所を改装して、先日保健所の許可も無事取れて本格的な活動を開始したんだ。
工房の名前は「チョコレート工房ZEN」
そこには毎日のようにご近所さん、留学生、なんだかよくわからない人が訪れては
「おいしい!」
とチョコをぱくついていくそうだ。

さてさて、長くなったけれど、ちゃんちき堂のシフォンはイロンナ出会いで少しずつ、その素材が地の物だったり、ぼくが大切にしたい出会いの中で変わってきたけれど、チョコシフォンのカカオとチョコチップだけはずっとどうにもならなかったんだ。
カカオだけならフェアトレードの物が手に入ったけど、チョコチップはどうにも出会わなくって。
そして、ただフェアトレードってだけだと物語を感じられなくって、どうしていいかわかんなくって。
そこで相談してみたんだ。
「どうにかならないかしら?」
って。
そしたら、すぐにどうにかなった!
試しにっていただいたカカオパウダーとチョコチップ。とても試作用っていう分量じゃなくってカカオパウダーなんて未だになくならないけれど。。。
いただいたもので焼き上げたチョコシフォンは、うちの奥さんが「おいしいな。。。」って言ったからね。
甘い物きらいで、今までのチョコシフォンには手を出さなかったうちの奥さんがさ。
なのでね、これからのちゃんちき堂のチョコシフォンは「青梅夢」さんからいただいたもので作るのデス。
という宣言なのでした!

誰でもウェルカム。
そして、社会の根本であるコミュニティをどんどん作りだす力。
強い理念や信念や哲学や。
そういうことではなく、そんなものも内に秘めたものがもちろんあるんだろうけれど、毎日の生活をオープンに、ちゃんと、生きている中で生み出していく泥臭い力。
上滑りしない、だからこそ、ずっと変わらず続いて行きそうなそんな方々に会いたいナって思ったら、練馬にある「チョコレート工房ZEN」にどうぞ。
毎週末の日曜日には「おうめシネマ」で「オリオン座」が開かれているヨ。
そこでも出会えると思うヨ。

ps:練馬にチキチキ5で遠征したことあったじゃない?
その時に工房見せてもらったんだ。
でも、疲れきってへとへとで。。。それでも、あの強引な明るさでルートを外れてみてきたよ。
オープン間近のきれいな工房だったけれど、今ではそこにたくさんの人が集って、そしてカカオ豆からみんなでわいのわいの言いながらチョコレートが作られていってるんだろうネ。

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