ぽんごぽんご族の物語

ぽんごぽんご族物語-其の壱

【ぼんごぽんご族に出会う】

ある朝、ひみつのいりぐちの前を通りかかると奇妙な生物?動物?達がひみつのいりぐちに住みついているのを発見した。。。

あんまりにも当然のように住みついているその堂々とした姿に感動さえ覚えつつ、ぼくはついでにコミュニケーションはとれないものかと身振り手振りで意思疎通をはかってみるた。そうすると案外通じるもので、彼らの種族名?的なことがわかった。
彼ら、種族名?を「ぽんごぽんご族」というらしい。

卵のようなフォルム。
そして、尻尾がなぜかちゃんちき堂のロゴそっくり(つまりシフォンケーキが一欠けら食べられて笑顔になっているようなってことだ)。
あんまりにもシフォンケーキ由来すぎるその形状に、ひょっとしてものすごくシフォンケーキのことが好きになるんじゃないかと思って、シフォンケーキなるものの概念について熱く語ってみた。
「卵の白身を泡立てたメレンゲの」
「焼きあげるとふわふわの」
「でもほんのり甘い」

シフォンケーキの概念が伝わるにつれ、そしてぼくの熱意が伝わるにつれ、彼らにもぼくの興奮が乗り移ったようで、
「ぜひ一度実物をみたい!」
ということになった(なんてあっさりなんだろうか)。
しかし、ぼくの足ならほんの数分であろう「ひみつ工場」に、なんなら連れて行こうかと申し出たぼくの好意はあっさりと拒否された。

ぽんごぽんご族はとても自立心旺盛で、自分達の力で何事も実現することに強い生きがいを感じているそうだ。ぼくの手によって運ばれるなんてことはだからとても屈辱的なことなんだと。

さらに

「ひみつなんだろう!?」

と。。。

ひみつを目指して探検し、泥にまみれ、そして数々の危険を乗り越えてたどり着く。。。ひみつ工場。

そして、初めて目にする「シフォンケーキ」なるものの存在。

「それに意味があるんだろう!」

と。。。
民族が変われば考え方も変わる。

いや、それ以上にちゃんちき堂のコンセプトにあまりにぴったりな反応に感動し、小さい小さい彼らの持つ強い意志に敬意を表して、ぼくはひみつ工場までの道のり、そして危険についてアドバイスをするだけにとどめることにした。
特に、道中に現れるぼくと同様の「人間」という巨人のこと。
そして、彼らが有する「自転車」という二輪でふらふらと動きまわる物体や、「自動車」というさらに巨大で高速で移動する怪物の事等を伝えた。
これらの脅威は、本人にそのつもりがなくても踏まれたり蹴られたりするだけでぽんごぽんご族にとっては致命傷となるであろうこと。
そして、案外好奇心が旺盛な類の者も多いため、目立った事をしてみつけられると攫われたり、無意味に放り投げられる可能性があることなどを理解してもらった。
特に集団でいる「人間」という巨人たちはなにかと行動がエスカレートする傾向にあること。
夕方や夜に見つかると「一日のストレスでむしゃくしゃしていたり」「お酒」という彼ら特有の飲み物を摂取し気が大きくなっていてとても危険だということなどを伝えた。

彼らも若干不安になったようだが、それでもシフォンケーキに対する興味が不安を上回ったようだ。
ぽんごぽんご族の中でも俊敏で機転の効く者を選抜して、ひみつ工場を目指すことを約束してくれた。

そうそう、それと彼らから1つ提案をもらったので了承したんだ。
彼らはこれからひみつ工場を目指すための拠点として、ひみつのいりぐちの上に広がる草原、森、川を拠点にしてもいいかというんだ。
ひみつ工場へは船で行くことにしたようで、ここに生える木々を船の材料にしていいかということだった。
その代わり、この土地の管理は自分達が責任をもって行うと言う。

断る必要のないこの申し出をぼくは快く受けることにした。

但し、ただでさえ目立ってしまうひみつのいりぐちの頂上の事だ。ここにも「人間」の脅威があることは理解してもらい、ぼくからも仲間の「人間」巨人たちに彼らぽんごぽんご族には手を出さないようにと伝えることも約束しておいた。
彼らは早速木々の選定に取り掛かったようだ。。。

さぁ、ぽんごぽんご族の冒険が始まる。。。

 

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